地域資源情報

06 米

これらの特徴はどのようにして生まれたの?

● 地すべりや河川が作り出した土壌

  • 農機具や土木技術などが発達していない時代には、地すべり地帯は米づくりに適した条件の土地でもあり、棚田が発達した。
  • 信濃川など河川の沖積によって形成された土地は、肥沃な土地でもある。

● 雪国の気候

  • 山地に積もる雪は巨大なダムの役割を果たし、少しずつ融けて米づくりに必要な豊富な水を供給する。
  • 夏の高温・多照は、稲の生育に十分な温度と日照を提供。
  • 特に中山間地域では、昼夜の温度差が大きいことで、米のおいしさが増大する。

● 用水・新田の開発

  • 江戸時代を中心とした用水・新田開発等により、平野での収穫量が増加した。

● 長野県における品種改良や栽培技術の向上

  • 冷涼な長野県での栽培は困難だったが、品種改良や県で開発した低温時にも育苗できる保温折衷苗代、箱育苗技術などの栽培技術の向上により、県下全域で安定した栽培が可能となった。

● 新潟県における品種改良や栽培技術の向上

  • 品種改良や栽培技術の向上の努力により、根雪や長雨、冷害など気候上の不利な点を克服。
  • 新潟県の奨励品種に選定されたコシヒカリは、味が良い反面、病気に弱く倒れやすい品種であったが、栽培技術の向上や農家の努力、病気に強い品種への改良等により栽培され続け、米の食味が向上した。

これらの特徴は地域に何をもたらしたの?

● 日本酒や味噌づくりの発達

  • 米を原料とする日本酒の酒蔵数は、全国有数の規模を誇る。
  • 味噌は全国有数の味と生産量を誇る。上越地域では、良質の米を使った「浮き麹味噌」の評価が高い。
  • 米生産が盛んであった上越市には、かつて県内米菓工場の始まりとなる工場が立地した。

● 地域の行事や信仰の伝播

  • 各地で水田耕作に関連する農耕儀礼を含む行事が行われるようになった。
  • 米づくりを中心とする生活様式は、山神信仰、諏訪信仰、曹洞宗、浄土真宗などといった信仰がこの地に広まったことの一因と考えられる。

● 農機具工業の発達

  • 米生産が盛んであった上越市では、農機具の需要が高く、かつては農機具生産で全国有数の規模を誇った。