地域資源情報

16 スキー

これらの特徴はどのようにして生まれたの?

● 国内有数の豪雪地帯・なだらかで高い山々

  • 国内トップクラスの豪雪地帯は、数多くのスキー場を生み出す。平野部は湿った雪が多いものの、高地にあるスキー場は、冷涼な北海道と同様にパウダースノーが多く、近年は海外からのスキーヤーも数多く訪れる。
  • 野沢温泉、妙高高原などは、斜面のなだらかな火山地形が多く、ゲレンデとして適地。

● 大都市圏からの近さ(鉄道の発達・大手資本の参入)

  • 信越本線全線(1893年)、上越線(1931年)、長野電鉄湯田中線(1927年)などの開通により、首都圏をはじめ三大都市圏と鉄道でつながったことで発展。
    ※その後、モータリゼーションの進展等に伴い、斑尾など鉄道のない地域も開発が進む。
  • 1960年代には、西武グループや藤田観光などの大手資本による大規模スキー場が整備。
    ※野沢温泉のように、町が会社を設置して開発した地域もある。

● 豪雪地帯にある温泉地

  • 豪雪地帯にある温泉旅館は冬季が閑散期となるため、旅館経営者などが中心となってスキー場を整備し、誘客に努めた。

● 陸軍(師団)の立地

  • 国内スキーの発祥は、1911年、上越市高田にあった陸軍13師団の視察に訪れていたオーストリアのレルヒ少佐により、スキーの技術講習会が行われたことによるもの。

 

これらの特徴は地域に何をもたらしたの?

● 豪雪地帯にある温泉地

  • スキー場を整備し、誘客に努めた結果、温泉のあるスキー場、あるいはスキー場のある温泉という相乗効果を生み出し、誘客に貢献した。

● スキー板製造などの地場産業の発達

  • スキー発祥当初は、スキー(板製造)産業が発展。
  • 1965年頃は、カザマ・ハセガワなどを中心に上越地方のスキー生産が全国の約45%を占めた。
  • 飯山市のオガサカやニシザワ(後に長野へ移転)のスキー生産量は1970年頃にはカザマ・ヤマハと並んで日本の上位4社に名を連ねた。
    ※現在、上越地方のスキー産業はない。

● 民宿の整備とスポーツ合宿などの受入れ

  • 地元の農家が農閑期の仕事としてスキー客受入れのための民宿を整備。特に白馬は、民宿発祥の地とされる。
  • その後、民宿業を専業とするため、グリーンシーズンの受入れとしてスポーツ合宿やグリーンツーリズムなどを積極的に行う。
  • これらの動きに伴い、出稼ぎ労働者も減少する。
    ※現在、上越地方のスキー産業はない。

● 冬期間の交流人口創出特産品の販売促進

  • 1990年頃のピーク時に比べると半数程度と思われるが、それでも数多くの交流人口創出に貢献している。
  • 1998年の冬季オリンピック長野開催時には、世界各国から選手や関係者、観戦客等が訪れる。
  • そば、野沢菜、おやきなどの特産品の販売にも貢献。

● 一流スポーツ選手の輩出

  • オリンピック出場選手をはじめ数多くの選手を輩出。特にクロスカントリー選手の半数以上は、このエリアの出身者。
  • 中でも北信地域は、アルペン、ノルディック複合、ジャンプなど万遍なく輩出。
  • 引退後もこの地にとどまり新たな仕事を営む選手も多い。

 

スキーの魅力と課題

< 後日掲載します。しばしお待ちください。 >