地域資源情報

05 交 通

これらの特徴はどのようにして生まれたの?

● 関東と北陸・関西を結ぶ位置関係

  • 信越本線は、もともと東京-大阪間を結ぶ線路が中山道(長野県)を経由する計画があり、その路線への物資輸送等を目的として早期に整備された。
  • ほくほく線(北越急行)や北陸新幹線は、首都圏と北陸圏を短時間で結ぶ目的が整備の大きな推進力になったと考えられる。

● 急峻な地形に囲まれた存在 

  • 上越市の位置は、関西・北陸や新潟・佐渡、東北を結ぶ日本海側の幹線上にある。
    また、日本海側から内陸部や太平洋側へ向かうルートは地形や気候などの面から限定され、上越市から南下するルートは古くから重要な存在であった。
    この結果、陸路の結節点が生まれた。

● 海や河川の存在

  • 大量の物資を運ぶ観点から、日本海に面し陸路の結節点を有する上越市(直江津港)では、港の開発や発展にもつながった。
    特に直江津港は北前船の寄港地の一つに。
  • 一定規模の河川に接する地域では、船による運送が発達。

● 温泉地・スキー場の発達

  • 首都圏からの近接性や交通の利便性により、数多くの温泉地やスキー場の発展に貢献した。

● 政治家の存在

  • 越後国府、春日山城、高田城などの政治的拠点が古くから置かれ、まちと交通網の発達を相互に支えた。
  • 新幹線や高速道路の経路の一部は、田中角栄の政治力によるものとされる。

これらの特徴は地域に何をもたらしたの?

● ローカル鉄道の誕生

  • 長野電鉄は、地方都市の中で数少ない生活路線・観光路線として活躍する私鉄である。
  • しなの鉄道やえちごトキめき鉄道は、新幹線開業後に誕生。長野新幹線以降の整備新幹線は、その沿線のJRを経営分離することが整備の前提条件であったため。
  • ほくほく線は、北陸新幹線の開業に伴いローカル鉄道としての役割が強くなった。

● 温泉地・スキー場の発達

  • ウィンタースポーツの盛んな長野県は冬季オリンピックの開催地となり、1997年に長野まで北陸新幹線が部分開業する契機となった。

● 様々な信仰の伝播

  • 様々な信仰がこの地域に伝わる一因となった。具体的には、熊野信仰、白山信仰、浄土真宗、曹洞宗などが挙げられる。

● 様々な産業の発達

  • 明治時代には、この「地の利」と豊富なエネルギー資源との組み合わせにより、化学・金属関係の工場の進出や陸軍第13師団の誘致などが行われた。
  • 政治拠点や工場、師団の存在は、地域経済の基礎となり、それらに付随して生まれた様々な産業と共に人々の暮らしを支えた。
  • それらの中には、老舗企業や城下町の雁木通りなどとして今日まで残り、まちの歴史・文化的価値を高めているものもある。