地域資源情報

01 地 形

これらの特徴はどのようにして生まれたの?

●フォッサマグナの上の地形(“最近”までは海と平地)

  • 日本誕生に深く関わるフォッサマグナの西端付近に位置するため、新旧両方の地層が存在する。
  • 約2,000万年前、日本列島はアジア大陸から離れながらその真ん中で折れ、深さ3,000mのフォッサマグナの海ができた。そこに土砂が流れ込むなどして、砂や泥の厚い地層が形成され、約300万年前には列島全体が隆起を始めたが、約100万年前の上越市周辺はまだ海や平地で、当時は千曲川が流れ込んでいた。

●フォッサマグナの上の地形(急速な隆起や褶曲活動)  

  • 約100万年前から現在にかけて平地と山地の地形分化が進む。褶曲などの地殻変動が生み出した関田山脈、妙高山などの新たな火山、関川によって土砂が運ばれた高田平野など、新しくも多様な地形が形成された。
  • この過程でできた丘陵地の地層は、新しいが故に十分に固まっておらず、隆起の過程で生じた無数の割れ目に水が浸み込み軟弱であるほか、地層がさらに隆起して不安定になり、地すべりを起こしやすい地形となった。

これらの特徴は地域に何をもたらしたの?

●豪雪地帯の形成

  • 日本海や高い山脈が形成された結果、日本海で発生した積雲が山脈にぶつかり、大量の雪が降るようになった。

●多様な植生の分布

  • 多様な地形がコンパクトに集積することから、多様な植生も身近に見ることができる。

●国産エネルギーの生成

  • フォッサマグナの地形・地質に特有の地殻変動により、石油・天然ガスが集積しやすく、採掘しやすい地形となった。
  • 豪雪による豊富な水量とともに、河川の傾斜の大きさを利用して、水力発電が行われた。

●主要な交通網の形成

  • 周辺を高い山脈に囲まれた地形のため、主要な交通網を作れる場所は自ずと限定的となり、交通の要衝が生まれた。

●棚田の形成による米づくりの発達

  • 地すべりは、災害の側面だけでなく、地すべりにより撹拌された土地や地すべり面を流れ下る地下水などにより、米づくりの適地ともなり、棚田の景観も生み出された。

●観光資源の誕生

  • 日本百名山に多くの山が選定されている。
  • 2,000m級の山々を中心に、大規模なスキー場ができた。
  • 火山が多いことなどから温泉も多数存在する。
  • 多様な地形を学べる場として、世界ジオパーク、日本ジオパークが作られた。

●山岳信仰の発達   

  • 険しい山々は、昔から人々の信仰の対象となり、修験道など山岳宗教の修行の場ともなった。