地域資源情報

03 植 生

これらの特徴はどのようにして生まれたの?

● 多様な地形

  • 多様な地形がコンパクトにまとまった地域であり、高低差も大きいことから、比較的身近に多様な植生を見ることができる。

● 豪雪地帯

  • 豪雪地帯であることから、ブナなど豪雪に対して強い樹木やユキツバキなど豪雪に適応した植物が見られる。
  • 太平洋側の積雪の少ない地域のブナ林では、ミズナラなどの混合林が多く見られるが、日本海側の積雪の多い地域であるほどブナの純林が発達し、他地域では生育できない低標高地域でもブナが生育することが知られる。

● 自然保護の取組

  • 豪雪地帯であるが故に開発が進みにくく、比較的身近に森林等が残った側面もある。
  • その中でもブナ林の伐採計画が持ち上がった例はあり、その一部は自然保護運動によって中止となった。
    雪国の生活の中で、自然が果たす役割の重要性を実感していた地域があったともいえる。

これらの特徴は地域に何をもたらしたの?

● 保水能力の発揮(天然のダムの役割)

  • ブナ林などの森林は“緑のダム”などともいわれ、河川へ流れ込む水の量を安定させる働きを持っている。

● 米づくり・酒づくりの発達

  • ブナ林の土壌を通過した綺麗な水は、おいしいお米や酒づくりにつながる。

● 海の幸・山の幸の恵み

  • ブナ林の土壌を通過した水は、地下水や河川を通じた海藻やプランクトンを育てる栄養素を運び、海の幸を育む。
  • 豪雪地帯のブナ林では、柔らかく良質な山菜が採れる。

● 自然環境を生かした観光資源の発達

  • 典型的なブナ林帯や高山植物の存在などにより、各地域においてエコツーリズムや森林セラピーなど、自然環境を活かした体験観光メニューが開発されている。

● 生活道具などの生産

  • ブナ以外の樹木が自然に育ちにくい豪雪地帯では、薪炭材としての利用だけでなく、家屋の梁や農具の柄、机・椅子などにも使われた。