地域ならではの特徴
特徴の成り立ちと特徴
地域資源の魅力と課題
の他の参考情報
川上善兵衛は、民間人として初めて「日本農学賞」を受賞した人物であり、彼が開発したマスカットベーリーAは日本を代表する赤ワインぶどう品種として国内の多くのワイナリーで栽培されている。 川上善兵衛は研究に没頭するあまり、会社の経営は危機に陥るが、地元出身の坂口謹一郎博士がワイン製造を考えていた寿屋(現サントリー株式会社)の創始者・鳥井信治郎と引き合わせ、昭和9年、共同出資・共同経営の株式会社「寿葡萄園」を創設、同11年に株式会社「岩の原葡萄園」と改称して事業を継続した。 川上善兵衛は良質なワインを造るため、発酵温度コントロールや夏場のワイン熟成庫の温度管理に雪を利用した。
◀地域ならではの特徴へ
長野県の「信州ワインバレー構想」は、良質なワイン用ぶどうの産地が全国でも限られており、またワイン産業は視野が広いため地域活性化につながる可能性を持っていることから、栽培から醸造、販売、消費にわたる振興策として策定したもの。
長野の美しい丘の上で、田舎の豊かな恵みと上質な時間の提供をコンセプトとしている。フランスで誇りを持って暮らす人々に感銘を受けたこと、当時の村が掲げた農業立村の将来像と合致したことなども背景にある。
備考)ワインの原料とするために受け入れた国産生ぶどうの品種別数量の集計値であり、 実際にワイン原料に使用した数量とは符合しない。 出所)国税庁:国内製造ワインの概況(平成28年度調査分)
– 長野県のワイン用ぶどう – メルロー、シャルドネのほか、カベルネ・ソーヴィニヨン、ピノ・ノワールなどが栽培されている。
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長野県内には、傾斜地が多いうえ、河川が運んだ小石や砂混じりの土壌や火山灰の土壌など、水はけのよい土地が多いとされている。
◀特徴の成り立ちと影響へ
収穫期を迎える夏から秋に雨が多い場合、良いぶどうはつくれないことから、雨量の少ない長野県は、ワイン用ぶどう栽培に適している。 ぶどうの糖度や酸度を高めるためには、日照時間が長いことも大切であり、雨の少ない長野県は日照時間も長めであり有利である。 さらに、内陸性気候のため、昼夜の温度差が大きいことから、糖度が高まり、ぶどうの着色が良くなるといわれている。
標高700mはブドウ栽培の限界地であったが、ここ10年来の温暖化によりフランス原産のメルローやシャルドネなどの栽培が可能になったといわれている。
– 新潟県 – 岩の原葡萄園の川上善兵衛は、故郷の地域振興を通して殖産興業を実現するため、米一辺倒でなく果樹も含めた幅広い農業経営を考え、不毛の山林荒廃の地を活用できるぶどう栽培をはじめたとされる。越後ワイナリーは、時代の流れをにらんだ農業振興が発端で、農村の環境をこれ以上破壊する工場誘致と大企業の介入ではなく、豪雪地で農家が生き延びられる農業のひとつとしてぶどう栽培とワイン造りを選択したとされる。
同様の制度は、北海道、佐賀県などでも創設されている。
※特に参考とした文献には●を付しました。