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魚沼地方はカラムシ(苧麻)で編む布(アンギン)の作り方が伝わる国内唯一の地域とされるほか、6品目もの織物が国指定伝統的工芸品に指定されるなど織物業が盛んに行われてきた歴史があります。
また、長野県には明治時代に「蚕糸王国」と称された歴史があるほか、上越市には細巾織物を盛んに生産した歴史があり、現在はバテンレースの国内唯一の産地とされています。

更新日:2022年6月7日

この地域ならではの特徴ってどんなこと?

● 魚沼地方を中心とする織物業の発達

  • 縄文時代の衣料の主流であり、カラムシ(苧麻)の繊維を原料とするアンギン製作方法が現在まで伝承されているのは、国内で十日町・津南を中心とする魚沼地方のみといわれる。
  • 正倉院に上越市または妙高市の庸布が収蔵。中世には、越後の生産量が日本一の時期もあり。
  • 中世・近世に発達した越後上布は、ユネスコの無形文化遺産に選定。
  • カラムシを素材とし近世を中心に生産された越後縮は、薩摩上布に次ぐ高級夏織物。その用具や関連資料は国指定重要有形民俗文化財
  • 塩沢紬、本塩沢、小千谷縮、小千谷紬、十日町絣、十日町明石ちぢみは、国指定の伝統的工芸品に指定(全国の指定織物は38品)。
  • 十日町市の絹織物生産高は、ピーク時に比べて大幅に減少はしたが、西陣・丹後に次ぐ日本有数の歴史的機織地といわれる。

● 長野県を中心とする蚕糸業の発達

  • 蚕糸業とは、蚕種製造・養蚕・製糸で構成される産業の総称である。明治時代に長野県は「蚕糸王国」と称される。県内では岡谷や上田などでの生産が際立つものの、小布施、須坂、松代などでも生産していた。
  • 当時の中野器械製糸場は、富岡、二本松とならんで日本三大製糸場と称された。ただし、岡谷や上田に比べると早期に衰退した。
  • 須坂市では1887年頃に100を超える製糸場を抱え、「製糸王」と評される越寿三郎を輩出した。

※魚沼等の中山間地域でも、古くから養蚕業は営まれていた。上越市では、明治時代に長野県から桑苗を購入し、砂丘地帯や一部中山間地域で生産した時期もある。

● 上越を中心とする細幅織物の生産

  • 上越市高田はバテンレースの国内唯一の産地。(福井、静岡などの産地は戦前に消滅)

※ バテンレースとは、ブレード(細幅織物)と呼ばれる糸で編んだテープで図柄の輪郭を縁取り、その内側にかがり縫いで模様を施したもの

  • バテンレースの原料である細幅織物は、かつて全国生産の65%を占めていたといわれている。
【信越県境付近の繊維関係の生産地】

備考)信越県境付近にある市町村(破線で挟まれた地域、市町村名はp.3に掲載)の取組のみ掲載
出所)国土地理院数値地図および経済産業省「伝統的工芸品の指定品目一覧」をもとに作成